つりがね草
- SS置き場です。 9割方BabyPrincessの二次創作になります。
[PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
連載:キュウビの話その2
キュウビの話その1
=======================
キュウビ――
キュウビは観月の守護霊(観月がそう言っていた)のちいさな子狐だ。
体の毛の色は水色で、鼻先を除いてしっぽの先や足先、耳の先がシャム猫のように黒くなっている。
そして特徴的なのは、その名の通りに立派な九本のふんわりとしたしっぽを持っていることだ。
もふもふと体の後ろに広がっているので、しっぽの方が本体にも見えてしまうくらいだった。
そう、キュウビは狐霊――九尾の狐である。
前に一度気になって調べたことがあるのだが、狐霊には大きく分けて二種類がいるらしい。
曰く
野良の狐・野狐。
善良な狐・善狐。
例外はあるが、往々にして野狐が人に害を為し、善狐が人に益する。
妖狐は野狐のみを指す言葉のようだ。
九尾と聞くと、有名な玉藻前や白面金毛九尾の狐を思い浮かべる人も多いだろう。
自分もその人間だったのだけど。
そのせいで九尾=悪なイメージが強い。
だが、善狐でもしっぽが九本なら九尾の狐と言う…とのことだ。
たぶんキュウビは善狐で九尾、後者だろう。
いつもの観月とキュウビの関係を見ているとそう思える。
観月とキュウビはとても仲良しだった。
キュウビが悪さをしていることなんて見たことないし、観月の口から聞いたこともない。
悪戯くらいはしたことがあるかもしれないけど……子狐のすることだ、知らない知らない。
そんな守護霊キュウビはみんな見えてるというわけではなく、うちの家族の中だと観月と俺だけが見えているらしい。
今では慣れたものだけど、最初に見たときはすごく驚いたものだった。
頭の上に何やらもこもこしたキツネを乗っけた妹がいたのだ。推して知るべし。
キュウビはたいていいつもは定位置の観月の頭の上、ないし観月の近くにいるか、もしくはいないかだ。
守護霊なのにふらりといなくなったりする。
つまりキュウビだけを見かける、と言うのはなかなかに珍しいことだった。
キュウビ一人の時は姿を消しているのか、はたまた観月と一緒にいるときだけキュウビが見えるのか……
いや、部屋を訪ねてくるのなんて初めてのことだけど、今はキュウビがしっかりと見えているので後者の予想は無いだろう――
キュウビはそんな子だった。
今、廊下に立っているキュウビはつぶらな瞳でこっちを不思議そうに見上げている。
――とりあえず、俺に用がある様子なので部屋に入ってもらうことにしよう。
このままもし廊下に誰か来たら変に思われる気がするからだ。
体を避けて、キュウビが入っても良いよ。というように意志を示してみる。
「…ココン」
するとキュウビはとことこと俺の部屋へ歩いて入ってきてくれた。
ドアを閉めてみたけど、キュウビは特に反応せず。
信頼してくれてるようでよかった。
(続く)
=======================
キュウビ――
キュウビは観月の守護霊(観月がそう言っていた)のちいさな子狐だ。
体の毛の色は水色で、鼻先を除いてしっぽの先や足先、耳の先がシャム猫のように黒くなっている。
そして特徴的なのは、その名の通りに立派な九本のふんわりとしたしっぽを持っていることだ。
もふもふと体の後ろに広がっているので、しっぽの方が本体にも見えてしまうくらいだった。
そう、キュウビは狐霊――九尾の狐である。
前に一度気になって調べたことがあるのだが、狐霊には大きく分けて二種類がいるらしい。
曰く
野良の狐・野狐。
善良な狐・善狐。
例外はあるが、往々にして野狐が人に害を為し、善狐が人に益する。
妖狐は野狐のみを指す言葉のようだ。
九尾と聞くと、有名な玉藻前や白面金毛九尾の狐を思い浮かべる人も多いだろう。
自分もその人間だったのだけど。
そのせいで九尾=悪なイメージが強い。
だが、善狐でもしっぽが九本なら九尾の狐と言う…とのことだ。
たぶんキュウビは善狐で九尾、後者だろう。
いつもの観月とキュウビの関係を見ているとそう思える。
観月とキュウビはとても仲良しだった。
キュウビが悪さをしていることなんて見たことないし、観月の口から聞いたこともない。
悪戯くらいはしたことがあるかもしれないけど……子狐のすることだ、知らない知らない。
そんな守護霊キュウビはみんな見えてるというわけではなく、うちの家族の中だと観月と俺だけが見えているらしい。
今では慣れたものだけど、最初に見たときはすごく驚いたものだった。
頭の上に何やらもこもこしたキツネを乗っけた妹がいたのだ。推して知るべし。
キュウビはたいていいつもは定位置の観月の頭の上、ないし観月の近くにいるか、もしくはいないかだ。
守護霊なのにふらりといなくなったりする。
つまりキュウビだけを見かける、と言うのはなかなかに珍しいことだった。
キュウビ一人の時は姿を消しているのか、はたまた観月と一緒にいるときだけキュウビが見えるのか……
いや、部屋を訪ねてくるのなんて初めてのことだけど、今はキュウビがしっかりと見えているので後者の予想は無いだろう――
キュウビはそんな子だった。
今、廊下に立っているキュウビはつぶらな瞳でこっちを不思議そうに見上げている。
――とりあえず、俺に用がある様子なので部屋に入ってもらうことにしよう。
このままもし廊下に誰か来たら変に思われる気がするからだ。
体を避けて、キュウビが入っても良いよ。というように意志を示してみる。
「…ココン」
するとキュウビはとことこと俺の部屋へ歩いて入ってきてくれた。
ドアを閉めてみたけど、キュウビは特に反応せず。
信頼してくれてるようでよかった。
(続く)
PR
この記事にコメントする
- << 連載:キュウビの話その3
- HOME
- 連載:キュウビの話その1 >>