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つりがね草

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3「姉妹におけるシンメトリーとアシンメトリーの心理的効果について」


シンメトリー、対称とは心理学分野から言うと、
「静止・束縛・秩序・法則・厳密性・強制・威厳・静けさ」などのイメージを受けるそうだ。
その逆アシンメトリー、非対称では「運動・弛緩・偶然・生命・遊戯・自由」などのイメージを受ける。

これを踏まえて、「WHOLE SWEET LIFE」日記の吹雪紹介にある立ち絵を見てみよう。
吹雪は模様の無い簡素なワンピースを着ている。
一見シンメトリーに、整っているように見える。

シンメトリーから受ける印象の中に「秩序・法則」がある。
それらは吹雪が好んでいることだろう。
いつもの吹雪の日記から明らかだ。

しかし、吹雪は片足にリングを着けることによって意図的に自身のシンメトリーを破壊している。
長いリボンの形も偶然性を持つ不確定要素になるだろう。
先述したが、シンメトリーから受ける印象は「秩序・法則」
そして、アシンメトリーから受ける印象に「運動・偶然・生命」がある。
いつもの吹雪とは程遠いイメージだ。
これは意図的にアシンメトリーにすることによって、
ロボットのようだと揶揄される吹雪を人間たらしめるものになっているのではないだろうか。

少し想像して、比較をしてみて欲しい。
この立ち絵で足のリングがある吹雪と無い吹雪。
どっちがより人間っぽさを感じるだろうか?


そしてまた心理学では子供はシンメトリーを好み、大人はアシンメトリーを好む傾向がある。
子供は軸対称の絵が良いと感じるが、大人にはむしろ退屈に感じられる。

ここで、吹雪のひとつ上のお姉ちゃん、夕凪の立ち絵を見て欲しい。
夕凪の靴下は履き違えたのかと思うほど左右の模様も長さも違う。
ものの見事に非対称だ。

もう一度持ち出すが、アシンメトリーさには「運動・生命・遊戯・自由」などがある。
これは夕凪そのものだろう。
で、気分屋で思いつきで行動して、それですぐに怒られて。
とっても元気な女の子だ。

夕凪のそんな行動は子どもっぽいとも言えるだろう。
行動が大人っぽい吹雪と比べてしまえば如実だ。
しかしそれでも、夕凪は吹雪の姉でいられていると思う。
その理由の一つに、この服のアシンメトリーさが関係していると考える。

この夕凪の服のアシンメトリーさは夕凪なりのおしゃれな背伸びではないだろうか。
そしてそれが、夕凪の姉っぽさではないだろうか。

………
……

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1「側に」


「兄さんお帰りなさい」
「ただいま吹雪」

「雪が降っていますね」
「うん」
「ちょうどユキの様な雪が降っています」
「ダジャレかい?」
「違います」

「それにしても、今日はとても寒いね」
「帰ってきたばかりの兄さんの手はとても冷たかったですね」
「積もってるのが珍しくて、ちょっと雪で遊んできたんだ」
「兄さんは子どもっぽいですね」
「あはは、吹雪も後で遊ぶかい?」
「明日まで雪は残ってないと思いますよ?」
「それはざんねん」

「気象観測によると、急速に発達した低気圧と寒気がこの雪をもたらしているようです」
「そういえば海晴姉さんも天気予報でそんなことを言っていたなぁ」
「この雪では海晴姉も身動きがとれないでしょうね」
「交通機関が雪に弱いからね、麗がハラハラしてたよ」
「それは海晴姉を心配してですか?」
「吹雪もわかってるくせに」
「両方ですね」
「両方だね」

「ねえ吹雪」
「なんですか?」
「吹雪はやっぱり寒い方が好き?」
「唐突ですね」
「そうでもないよ、今日はとっても寒いから、なんとなく気になってさ」
「理由が質問に繋がっていないような気がするのですが」
「そう?」
「……」
「……」
「確かに私は寒いのが好きです」
「うん」
「寒い方が調子が良いですし、思考もクリアになります」
「うんうん」
「枕草子にもあるように、冬の朝の静けさにぴんと張り詰めたような寒さは、とても「をかし」と思います」
「吹雪のそんな物言いは新鮮だね」
「おかしいですか?」
「可愛いと思うよ?」
「そうですか」

「暑いのは苦手です」
「うん」
「ですが、寒い中で暖かいものに触れるのは嫌いではありません」
「……」
「……だからこうしてキミの側にいるのは、決して悪い気分ではありません」
「そっか、それを聞いて安心したよ」
「はい」

「吹雪はあったかいね」
「兄さんは少し、暖かすぎると思います」

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閑話休題

気の向くままに書いたそんな唐突な文
一話目?

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[つづきはこちら]

キュウビとこたつ

キュウビとこたつのお話
実質超短編二話分?

=============================

こたつ。
みぞ姉がよく陣取っていて
ちっちゃな子たちが中で遊んでしまう
そんなこたつ。

キュウビはそのこたつがとてもとても大好きなようだった。
一人でのんびりしていることもあるのだけど、
よく観月と一緒にこたつに入ってまったりしている。

よくこたつに入った観月の膝の上に乗っていたり
観月の隣でこたつ布団から頭だけ出してこちらに満足そうな顔を見せていたり
しっぽの先だけ出ていてたまにぴこぴこ動いたりするのを見かける。
そして、観月がこたつに入っているのにキュウビが見えない時――
これがこちらにとって、一番注意しなくてはいけない状況だった。

外から帰ってきてすぐに、
寒い寒いとうっかり勢い良くこたつに足を入れてしまうと――
(どんっ)
「ンキュウ!?」
「あっ!ごめん!」
間違ってキュウビを蹴ってしまうことがあるからだ。
「クーン!」
「よしよし、どこか怪我はしておらぬかの?」
キュウビが観月に泣きつく、と同時にこっちに恨みがましい視線。
「ごめんキュウビ!大丈夫だった!?
「まったく兄じゃ、注意せぬと駄目じゃぞ?」
観月が赤ちゃんをだっこするようにキュウビを抱えながら背中をやさしく撫でる。
どうやら怪我をしているような場所はなくて一安心。
「ほらキュウビ、兄じゃもああ言っておることじゃから、のう?」
……キュウッ」
なだめられたものの、キュウビはまだ怒っているようだった。
じっと睨まれた次はそっぽを向かれてしまった。
「ええと、ごめん……
今いくら言っても聞いてくれそうに無さそうで
大人しく引っ込んでおくしかなさそうだった。

「キュウビや、兄じゃが行ってしまうぞ?」
……キュウッ」
「外から帰ってきたばかりのようじゃ、兄じゃも寒いじゃろうにのう……
キュウ……
「まあ非は兄じゃにあるからのう、キュウビが嫌と言ってしまえば――
…………
のう?
……ココン!」

「うむ、それで良いのじゃv」

それからは足を入れるときはゆっくり入れるように注意するようになった。
こたつ布団をめくって中を確認するのが一番だけども――
女の子ばっかりの家だとそうもいかない。
こたつの中でのびのびと伸びているキュウビを見たかったものだ。


「王子様、お部屋に戻るんですか?」
こたつから出た俺に通りがかった春風さんがそう聞いてくる。
「うん、もう見たい番組も終わったからね」
「それじゃ……
春風さんがこたつの中を確認する。
「もう王子様、こたつが点けっ放しですよ?」
「あ、えーと……ごめん春風さん」
カチリとこたつの電源が落とされる。
でも厳密に言うと点けっ放しじゃない。

春風さんが去ってから少しして――
「コン……
もぞもぞとこたつ布団が動く。
出てきたのは小さな鼻先――
名残惜しそうに這い出てきたのはキュウビ
実はこたつの中にはまだキュウビが残っていた。

点けっ放しはすこし甘かったかな
一瞬そんなことも思ったけど
悲しそうに部屋を出て行くキュウビの後ろ姿を見ていたらそんなことも思えなくて――

「?、王子様お部屋に戻らなかったんですか?」
「うん、部屋に戻って勉強でもしようと思ったんだけど――
キュウビがとても可哀想に思えたから
「こたつから離れられなくてさ、こっちで勉強することにしたんだ」
「もう、ウフフ――v、王子様もこたつに夢中ですねv」
今キュウビはこたつの中でのびのびしていることだろう。
俺の伸ばした足の上に腹ばいに乗っかっている、ような感触。
少し重たくて足がしびれそうだけど、心地の良い重さだった。

「あっ!それじゃあ春風も、ちょうど家事も終わりましたし――
はっとした春風さんがずいっとこちらに身を乗り出す。
「春風もここでお勉強していいですか?王子様がわからないところがあったら教えてあげます!」
たぶん、と最後に少し自信なさげにちょっと加えて、期待したように上目づかいでこっちを見てくる。
もとよりこっちは断る理由もなくて
「ええと、お願いします春風さん」
「はいっ!任せてください王子様!春風にばっちり頼ってくださいね?」
そう言うやいなや春風さんはそそくさと部屋を出ていった。
きっと勉強道具を持ってくるのだろう――

――それから、春風さんに次いでホタ、ヒカルに、星花や小雨と人が増えて
キュウビが追い出されてしまうほど賑やかな勉強会になってしまったのは、また別のお話。


(終)


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