つりがね草
- SS置き場です。 9割方BabyPrincessの二次創作になります。
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「くらいのは――その3」
吹雪語り部マリーSSといった感じです。
遅くなりました…
==========
「――もう、わかってないわ!」
静かな部屋の中にマリーの声が突然、キンと響きます。
それは同室にいた私の興味を、読んでいた本から惹きつけるには十分なものでした。
ふと顔を上げると、マリーは何かに向かって――ちょうどこちらからはマリーの背中しか見えませんでした――怒っているように見えました。
「どうしたんですかマリー?」
少し気になった私は、その背中へ向かって声をかけます。
「吹雪お姉ちゃま、これを見て!」
真璃は私の声にすぐにくるりと振り返ると、手に持っていた何かを勢い良く私に突き出してきます。
私のすぐ目の前、あと少しで衝突してしまうかという程の距離には、見覚えのある装丁と共に、綺麗な文字が並んでいました。
「……日記、ですか?」
驚いて固まってしまった体を動か、やっとマリーから受け取ると――
それは私の予想通りで、姉妹みんなで順番に、兄さんに向けて書く日記でした。
今日は確か、マリーの書く順番です。
「お姉ちゃま、そこを読んでみて?」
マリーは私にそう促すと、腰に手を当ててそっぽを向いてしまいます。
プンプンと言う擬音がそのまま似合いそうでした。
手元の日記の開かれている、一番最新のページ――
――この日記を書いたのは……どうやら、霙姉のようです。
一体霙姉は何を書いたのでしょうか?
霙姉の日記は――
いつも神秘的で、それでいて子どもっぽい内容の実に「霙姉らしい日記」だと思います
ですがそれだけに――子供には理解しにくい内容を内包していることが多いと思います。
「――その、マリーはこの日記の意味がわかったのですか?」」
一番最初に浮かんだ私の疑問に、マリーは首を小さく横に振りました。
「ううん、少ししか読めなかったわ」
「では、なにが――」
「だって」
マリーは私の言葉を遮ると――私の目をのぞきこんで
「だって、暗いのなんてちっとも楽しくないもの!」
身を乗り出すように、そう宣言をしました。
「……マリーは暗いのが嫌いですか?」
「嫌いよ!だってつまらないじゃない?」
仁王立ちのマリーは、当然だとでも言うようにぴしゃりと言い放ちます。
私も霙姉と同じように、どちらかと言えば暗い方が好きなのですが――
そう口にしてはいけないような迫力をマリーから感じてしまいます。
「暗いとせっかくのキレイなドレスも、かわいいお靴も――何も見えないじゃない!」
そんなのっていけないわ――と、つぶやくように真璃は言いました。
我慢出来ないとでも言うように、マリーの口から小さく漏れた言葉。
それだけでも、マリーの気持ちがとても良く伝わってきます。
マリーは傲慢なようで――
「それに、真っ暗なんてマリーに相応しくないもの――マリーはいつでも輝いて、みんなを照らしていないといけないもの」
時たま違った、好意的な印象を受けます。
これがカリスマと言うものでしょうか?
それとも私の――家族の贔屓目なのでしょうか。
「――それを兄さんに、日記に書いたらどうですか?」
日記をマリーに返しながら、私はそう提案してみます。
「えっ?」
マリーは思ってもみなかったのでしょうか、
怒っていたマリーは毒気が抜かれたように目を瞬かせ、きょとんとしています。
「――そうね。フェルゼンにもちゃんと教えてあげなきゃ!」
そして、参考にしてもらえたようでした。
マリーはそう意気込むと、小さな机に着いて日記に文字を書き始めます。
一生懸命に、精一杯丁寧に――
ああ
マリーは一体どんな日記を書くんでしょうか?
とても楽しみです。
「吹雪お姉ちゃま、~~ってどうやって書くの?」
「ああ、それはですね――」
遅くなりました…
==========
「――もう、わかってないわ!」
静かな部屋の中にマリーの声が突然、キンと響きます。
それは同室にいた私の興味を、読んでいた本から惹きつけるには十分なものでした。
ふと顔を上げると、マリーは何かに向かって――ちょうどこちらからはマリーの背中しか見えませんでした――怒っているように見えました。
「どうしたんですかマリー?」
少し気になった私は、その背中へ向かって声をかけます。
「吹雪お姉ちゃま、これを見て!」
真璃は私の声にすぐにくるりと振り返ると、手に持っていた何かを勢い良く私に突き出してきます。
私のすぐ目の前、あと少しで衝突してしまうかという程の距離には、見覚えのある装丁と共に、綺麗な文字が並んでいました。
「……日記、ですか?」
驚いて固まってしまった体を動か、やっとマリーから受け取ると――
それは私の予想通りで、姉妹みんなで順番に、兄さんに向けて書く日記でした。
今日は確か、マリーの書く順番です。
「お姉ちゃま、そこを読んでみて?」
マリーは私にそう促すと、腰に手を当ててそっぽを向いてしまいます。
プンプンと言う擬音がそのまま似合いそうでした。
手元の日記の開かれている、一番最新のページ――
――この日記を書いたのは……どうやら、霙姉のようです。
一体霙姉は何を書いたのでしょうか?
霙姉の日記は――
いつも神秘的で、それでいて子どもっぽい内容の実に「霙姉らしい日記」だと思います
ですがそれだけに――子供には理解しにくい内容を内包していることが多いと思います。
「――その、マリーはこの日記の意味がわかったのですか?」」
一番最初に浮かんだ私の疑問に、マリーは首を小さく横に振りました。
「ううん、少ししか読めなかったわ」
「では、なにが――」
「だって」
マリーは私の言葉を遮ると――私の目をのぞきこんで
「だって、暗いのなんてちっとも楽しくないもの!」
身を乗り出すように、そう宣言をしました。
「……マリーは暗いのが嫌いですか?」
「嫌いよ!だってつまらないじゃない?」
仁王立ちのマリーは、当然だとでも言うようにぴしゃりと言い放ちます。
私も霙姉と同じように、どちらかと言えば暗い方が好きなのですが――
そう口にしてはいけないような迫力をマリーから感じてしまいます。
「暗いとせっかくのキレイなドレスも、かわいいお靴も――何も見えないじゃない!」
そんなのっていけないわ――と、つぶやくように真璃は言いました。
我慢出来ないとでも言うように、マリーの口から小さく漏れた言葉。
それだけでも、マリーの気持ちがとても良く伝わってきます。
マリーは傲慢なようで――
「それに、真っ暗なんてマリーに相応しくないもの――マリーはいつでも輝いて、みんなを照らしていないといけないもの」
時たま違った、好意的な印象を受けます。
これがカリスマと言うものでしょうか?
それとも私の――家族の贔屓目なのでしょうか。
「――それを兄さんに、日記に書いたらどうですか?」
日記をマリーに返しながら、私はそう提案してみます。
「えっ?」
マリーは思ってもみなかったのでしょうか、
怒っていたマリーは毒気が抜かれたように目を瞬かせ、きょとんとしています。
「――そうね。フェルゼンにもちゃんと教えてあげなきゃ!」
そして、参考にしてもらえたようでした。
マリーはそう意気込むと、小さな机に着いて日記に文字を書き始めます。
一生懸命に、精一杯丁寧に――
ああ
マリーは一体どんな日記を書くんでしょうか?
とても楽しみです。
「吹雪お姉ちゃま、~~ってどうやって書くの?」
「ああ、それはですね――」
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