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つりがね草

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アポプラスト


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=====

「そういえば――ユキは怪談話は平気なのですか?」
「怪談ですか?」
「はい」
「うーん……怪談話は嫌いです。ユキは入院しちゃうことも多かったから、病院の怪談話が怖くて――」
「ああ、病院の怪談は多いですしね」
「はい、でもそれよりも――」
「?」
「ユキは怪談よりも――ひとりでいるのが怖かったです」
「……」
「怖い話を聞くよりも、ひとりで居る、怖い考えをしちゃう方がおなかがきゅうっとして……」
「ユキ……」
「みんなと会えなくなっちゃう方が怖かったです。でも、今は吹雪ちゃんと一緒だから――」
「平気ですか?」
「はい♥あ、でもやっぱり、怪談はちょっとだけ怖いです。えへへ――」


「吹雪ちゃんは怖い話が平気なんでしたっけ?」
「はい、私は霊の存在を信じてませんから――いないものは怖がれません」
「もしユウレイがいたら、吹雪ちゃんは怖がるのかな……?」
「いたら――どうでしょう、その場合は、興味の方が恐怖に勝ってしまうかもしれませ ん」
「あっ、それじゃあ、こんな怖い話もあるんですが――」
「……?」


「……えっと、吹雪?」
「……」
「なんか吹雪が大変な事になってるんだけど……どうしたの?」
「ごめんなさいお兄ちゃん――ユキが怖い話をしたんです――」
「え? でも、吹雪は幽霊とか信じないんじゃ……」

「――虫のいっぱい出てくる、そういう怖い話をです」

「……うわぁ、それ で…」
「ごめんなさい――」
「うん、まあ、怒らないから怖がらなくて大丈夫だよユキ。でも、駄目だよ?」
「はい――」
「…… に、兄さん」
「あ、吹雪。俺のこと分かる?大丈夫?」
「大丈夫――」
「ああ良かった…」

「ではありません」
「え」
「兄 さん、私の体は正常でしょうか?何か異常は見あたらないでしょうか?例えばアレにアレを植え付けられたような痕跡は見られないでしょうか?」
「良 くなかった!ちょ、ちょっと待って吹雪」
「待てません兄さん、想像するだけで耐えられません。隅から隅まで漏れの無いように詳細にお願いします」
「わ! だから待ってって!何で服を脱ごうとしてるの!?」
「皮膚をちゃんと見なければ疾患を見逃す可能性があります」
「ああもう、正論だけどお 願いだから待ってー!」


「これは、何が起こっておるのじゃ?」
「ごめんなさい、吹雪ちゃん、お兄ちゃん……」
「む、 むぅ…触れない方が良さそうじゃ…兄じゃ、頑張るのじゃ!」

「さあ兄さん早く調べてください、遠慮はいりません」
「ふたりとも助けてー!」

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